分かれ道

今日は熊本は天気予報では1日中雨になっていますけれど…時々、日が照っています。


2日前に、芸大友達で漫画集団仲間の灰山敗次氏から数年振りに手紙が届いていました。彼だけ年賀状をくれていたので返事の手紙を出していたのです。…内容は、今年度のイラスト年鑑を購入してくれたそうで、私の絵を見ての感想などが書かれていました。「…こんなに絵が上手いとは思っていなかった」とか。


そうそう、芸大時代、漫画を描いていた頃の私は下手糞だったのです。プロには絶対になれなかったのです。それが何んでまた? …色々な事情があるのですが、やはり、47歳で突然に両耳が聞こえなくなり、仕事を辞めて無職では心もとなかったからでしょうか。でも、会社への再就職は障害の為に難しく、仕方なくイラストレーターを目指したような経緯でした。当面の職業の選択として「絵描き」しか思いつかなかったのでした。…この「もう自分にはこれしかない」といった、あきらめや宿命が、一生懸命絵を描く努力となった訳です。他にすることがあったならば絵描きにはならなかったのでしょう。


そして、芸術とは離れてしまった灰山氏は「…集団の一員であった懐かしさと、何もしていない自分が恥ずかしい」と自身を責めていました。…この辺の彼の純粋さは立派だと思いました。若い頃、大志を抱き挫折はしたけれど、言い訳をしない、語らない、いさぎよさでしょうか。仲間の中にはジタバタと言い訳をする、ひねくれ者もいて…比べると灰山氏は本当に素朴な気がしました。


しかし、灰山氏は現在、神戸で自分で派遣業をして、ご家族の協力で順調のようですし、彼は彼で大成しているのだと思いました。それぞれに違った人生。それで良いのでしょう。…ただ、何となく後味が悪いのは「貴重な才能の勿体なさ…」なのかなぁ?


家の庭で野良ネコが穴を掘るそうで、動物が苦手の母がせっせと対策をしています。


笛吹ピエロの創作世界

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