伝統と不合理性

天皇陛下の「お気持ち」表明。老いて病気がちになり、体力の限界に気づけば、周囲に迷惑をかけないうちに「生前退位」を考えるのは当然なのかもしれません。あくまで天皇陛下の優しさや気配りだと思われます。「ごもっとも」と賛成する意見は多いです。


しかし、私は反対です。理由は?…つまり「年を取って病気がちになれば、職務がおろそかになってしまう。…まだ、元気なうちに位を皇太子に譲っておいた方が賢明だろう」といった考え方は、非常に合理的な考え方だと思うからです。現代的と言えばそう。


でも、伝統とは割り切れない事柄。合理的ではなくて、無駄なことを含む不合理のことなのですよね。決して「茶道や禅は誰でも出来ます」ではない。だから、先々、たとえ陛下が寝たっきりになり職務が遂行出来なくなったとしても、それを、皇族方や政府や国民が「カバーして行く」といったことにより、陛下は本来の「日本国の象徴である」と合致する筈なのです。


くだけた話ですが、結局「陛下、余計な心配はされずに、もしもの時は、我々がちゃんとやりますので、安心して下さい」で、いいのではありませんかね。どうも、賛成意見ばかりで、反対意見が、さほど出ていないことを危惧しています。


個人的には天皇陛下とは「気持ちがグラつくことなく、いつも毅然とした態度であるべきの方」だと思っています。そんな風に思えるのは、私は明治天皇が崩御された後、奥様と殉死された乃木希典将軍を尊敬しているからでしょうか。優しい人柄は庶民に好まれる傾向。ただ、日本国の激動の歴史を思い出した時に「果たして、それで良いものか?」と疑いたくなります。


笛吹ピエロの創作世界

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