石川啄木『一握の砂』

10月に60歳になって身の回り品を処分し始めました。蔵書の本や雑誌は半分ほどゴミ出しに出して捨てました。残った分は、高さ180㎝幅90㎝の本棚、1つ半になりました。多い時は本棚4つほどありました。それも、棚の内側と手前2列と隙間の空間にギッシリと押し込んだ状態でした。読んでいるのは日本の古典や文学です。


処分する際に、一冊一冊手に取りながら「…さて、どうしたものか?」と思案した中、捨てる気でいた近代文学全集復刻版の「石川啄木」の歌集を広げて読んでみて、気が変わり取っておくことにしました。


石川啄木の歌で思い出すのは『我を愛する歌』の作品「東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる」ですが、続けて読んでいると「たはむれに母を背負ひて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず」「怒る時 かならずひとつ鉢を割り 九百九十九割りて死なまし」と、妙に引き込まれて行く気がします。全体的にもの悲しいのですよね。


石川啄木の生涯自体26歳で没と短命でしたし、ずっと生活苦でギリギリの暮らしをしていたようです。でも、初期に今でいう自費出版の類で作品集を出版していますし、何とか世の中から認めてもらいたい積極性さえうかがえるみたいです。しかし、結果的には啄木の作品が日の目を見るのは没後になってしまうのです。


「いそがしき生活(くらし)のなかの 時折のこの物おもひ 誰のためぞも」


笛吹ピエロの創作世界

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